セルフレスキューin湘南台
藤沢山の会のセルフレスキュー技術講習会を湘南平の高麗山公園で実施しました。
中高年の登山者による遭難事故が数多く発生している中、万一山で事故に見舞われたとき自分自身で事故に対応できる能力を身に付けることが必要です。
大磯駅に集合したのち善兵衛池経由で高麗山公園へ、準備体操ののち教育遭対部のリーダーの説明、実習の指導、総合演習など中心に講習会を行いました。
セルフレスキューの知識
山行計画の提出、健康管理、セルフレスキュー用装備、非常用装備の準備も広い意味ではセルフレスキューととらえることができます。山行管理の提出はもちろんのことエスケープルートの検討や計画書への記載も重要と言います。
事故が発生したときは二重遭難の防止、傷病者を安全な場所に移動、傷病者へのアプローチ、役割分担、救助要請、傷病者の体調保護、ヘリコプターで収容できる場所への移動などの作業が必要になります。
応急手当
ファーストエイドキット(救急セット)は各人が装備し使用方法を習得していくことが必要です。そのたリーダーが準備したいものとしてはサムスプリント(捻挫ヶ所の固定や副木として使用)、ホッカイロ、冷却シートがあります。
山での心臓発作や落雷、雪崩による埋没では心肺蘇生法により応急手当を行う場合があります。
出血している時は止血の処置が必要です。傷口が大きい時はガーゼなどによる直接圧迫法を使用します。出血部が大きい時は間接圧迫法で止血を行います。
捻挫・骨折の応急手当として三角巾の使い方の実習を行いました。三角巾のたたみ方、包帯としての利用方法、捻挫の固定、骨折の手当てなど、女性用のストッキングは腕や頭部を固定するとき便利です。またスーパーなどの大判ビニール袋を利用し三角巾代わりに腕を吊ることもできます。
搬送
負傷者を安全な場所に運ぶ方法です。搬送は運ぶ人にとっても運ばれる負傷者にとっても大きな負担になるため状況を見極めて行います。特に急斜面での搬送は注意が必要です。
1人で運ぶ方法、2人で運ぶ方法、3人で運ぶ方法のほか6人で運ぶヒューマンチェーン法やストックを使った簡易担架を利用する方法があります。またストックにテープとタオルを使用した松葉づえで移動することもできます。
ツェルトビバーク
怪我の状況などによっては負傷者と一緒にビバークすることがあります。この時ツェルトが必要になります。負傷者と介助者がツェルトを利用するため2~3人用のものが望ましいでしょう。
立木とストックを利用してツェルトの活用方法と張り方を実践しました。レジャーシート用の簡易ペグも持参すると便利です。
ロープワーク
登山中に危険個所に行き当たったとき役立つロープワークについて簡易チェストハーネスを利用しながら実践しました。
登山道が崩壊したり滑落の危険がある斜面のトラバースにおけるカナビラの架け替えの練習、切り立った岩場や滑りやすい斜面を登る際に利用するプルージック結びの練習をしました。
カナビラの架け替えは固定されているロープや鎖などにも利用できます。
総合実習
最後に6班に分け総合演習です。下山中パーティの一人が足を滑らせ滑落、頭部に擦り傷、手首をねん挫したなどの課題に応じ、負傷者と救助者、連絡係りなどの役割を決め協力して実際の救助活動を行いました。
いざという時に今回のセルフレスキュー実技講座で学んだ知識と技術が役に立つでしょう。しかし何より大切なことは事故を起こさないと言うことだと思います。
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