キタダケソウ咲く北岳へ! 
山行日:25年06月29日~07月01日
山 名:南アルプス・キタダケソウ咲く北岳へ!
区 分:募集
形 態:ピークハント
参加者:5名(男性:2名、女性:2名、会員外:1名)
コースタイム
6月29日~7月1日天気:晴れ
6/29:平塚駅南口9:40=(途中昼食)=12:30市営芦安駐車場13:00=(バス)=13:58広河原-広河原山荘(泊)
6/30:広河原山荘5:30-⑤⑩⑩-8:10白根御池小屋⑮-(草すべり)⑩⑩-11:45肩ノ小屋12:10-12:55北岳山頂⑩-14:00八本歯のコル分岐-15:05北岳山荘(泊)
7/1:北岳山荘5:20-⑤-7:00北岳山頂⑳-7:45肩ノ小屋8:15-(草すべり)⑩-10:05白根御池小屋⑳-⑤⑩-12:50広河原14:00=(バス)=15:00市営芦安駐車場=(入浴)=18:15平塚駅
6/30:行動9時間35分、歩行8時間、 7/1:行動7時間30分、歩行5時間50分
GPSfile
山行の過程
6/30:広河原インフォメーションセンターの2階が登山口。現在地標高1520m⇒北岳山頂3193mというパネルに身が引き締まる。野呂川に架かる吊橋を渡ると、「大樺沢二俣までの登山道は橋が撤去されてまだ通行できない」との掲示あり。予定通り、白根御池小屋への尾根道を辿る。コメツガやウラジロモミの鬱蒼とした原生林の中を黙々と登る。2200mからは山腹を巻いて白根御池小屋に至る。見上げると北岳の岩峰が天を突く。草すべりは、今年は全く雪が無く、はじめ遮るものが無く直射日光が暑い。サンリンソウやキンポウゲ、キバナコマノツメなどの花々に励まされながら2450mまで登ると、ジグザグのダケカンバ林の道となり暑さが和らぐ。大樺沢右俣からの登山道と合流し、シナノキンバイの大群落を過ぎると小太郎山分岐(2850m)で稜線に出る。稜線はハクサンイチゲやチョウノスケソウ、ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲ、イワウメなどまさに百花繚乱で、甲斐駒や仙丈ケ岳の展望も素晴らしい。稜線漫歩を楽しんで、「北岳に来ただけ」というひょうきんな標識のある肩ノ小屋(3011m)に到着。一息ついて北岳山頂(3193m)に向かう。山頂はガスがかかって展望は無かったが、標高差1670mを登り切った健闘をパーティーで称え合う。ここから今回の最大の目標である”キタダケソウ探し”。ザレ場を吊尾根分岐まで下り、八本歯のコル方面へ向かう。途中、”花目”の優れたSKさんが本日最初のキタダケソウを発見。八本歯のコル分岐から北岳山荘へのトラバース道に入ると、南斜面の石灰岩の岩場にかなりの数の個体が見られる。多くの花は終盤を迎えていたが、まだ新鮮な個体も有り、目的は達成できた。また、花序が緑色の珍品”ミドリハクサンイチゲ”も2株発見できた。最後は花の撮影に時間をかけたが、予定より30分早く宿の北岳山荘に到着した。
7/1:北岳の右肩からのご来光と雲海に浮かぶ富士山、モルゲンロートに染まる間ノ岳を眺めながら、稜線を北岳に登り返す。稜線はお花畑の道で、西側の谷はハクサンイチゲの白い花の絨毯だ。北岳山頂は晴れ渡り、仙丈ケ岳や甲斐駒はもちろん、その向こうには中央アルプスさらには北アルプスまで見渡せる。目を東に転ずれば、八ヶ岳連峰の向こうに浅間山、そして何故か青く染まった浮世絵のような富士山が大きい。肩ノ小屋で朝食弁当タイム、白根御池小屋でおやつタイムとした。途中、昨日見落とした固有種のキタダケナズナや北岳と白馬にしか分布しないミヤマハナシノブをカメラに収め、余裕を持って広河原に下山。14:00のバスで帰路についた。
リーダーの感想
高山植物の花の見頃は梅雨の真っただ中である。北岳の場合は6月最終週から広河原までのバスが運行開始となるので、固有種の”キタダケソウ”を見るためには、この時期に山小屋を確保しなければならない。初日は白根御池小屋まで行きたかったが、ネットでの申し込み開始と同時に予約満杯となってしまい、広河原山荘に前泊して、北岳山荘1泊のピストン山行を計画した。1日で標高差1670mを登るのは中々厳しい。しかし、健脚のメンバーと天候にも恵まれて、全行程を無事踏破できたことを喜びたい。花は絶頂期で、キタダケソウをはじめ目的とするものはほぼ見れたし、そのボリュームと花の種類の多さに、改めて北岳の凄さを思い知った。また、最終日の北岳山頂は晴れ渡り、国内第二位の高峰からの360度の大展望を楽しめたことも嬉しい。令和4年6月にバス停前に移設新築となった広河原山荘は清潔で入浴も出来、食事もおいしかった。北岳山荘も改装されて以前より気持ち良く泊まれた。山荘から眺める朝の雲海に浮かぶ富士山は相変わらず美しい。